ひとらごと   DATE20081010

             神の一撃

日本の科学者4人のノーベル賞受賞で宇宙物理学が話題になっている。物理学賞の受賞理由は「対称性の破れ」と呼ぶ宇宙の誕生解明につながる重要な概念だという。
 現在は、宇宙はビッグバンによって誕生したという理論が最も有力だそうだが、自分のような素人には概略さえ理解できそうもない。
 たとえ、それが理解できたとしても、「ではビッグバンが起こる前の宇宙の状態は?」、という疑問がわく。ある科学者はそれを「無の状態」と呼んでいるようだが、いよいよ分からない。むしろ仏教的な「無」のほうが理解できそうな気さえする。 
 更に、その無の状態に、なぜビッグバンが生じたのかも知りたくなる。私の読解では、「無の状態」に生じたほんのわずかな「ゆらぎ」がビッグバンの原因だということだ。それを「神の一撃」とも呼ぶという。
 そして、「ゆらぎ」を契機に生じる現象が「対称性の破れ」ということらしい。〔正確なことは分からないが・・・〕
 それにしても、「神の一撃」というと、どこか宇宙科学と哲学や宗教の接点を示唆するような言葉に聞こえるが、「対称性の破れ」と言うと探求をあくまで宇宙科学で貫徹する言葉に聞こえる。
 いずれにしても、宇宙の謎をすべて解き明かすことなど、理論上ではともかくも、観測上は到底不可能なことなのであろう。

 一昨日、石黒の山小屋に泊まり、久しぶりに満天の星空を眺めた。
 星空を眺めながら、宇宙誕生の理論を知ることよりも、この大宇宙の地球上に今日、自分がこうして生きていることの奇跡を十分にに自覚することの方が、今の自分には大切な事だと思った
 これからは空気が澄んで、いよいよ星空が美しい季節である。